金沢山岳会 会報 150
発行者:吉川信雄
編集者:平富人

▲第30回 残雪の白山登山▲ 2003年6月  記録 平

中飯場から不動滝67
645 会館を出発。(会員11名、非会員3名)
845 別当出合を出発、天候は晴れ、雪は例年どうり−在りません。
甚ノ助小屋で高体連の下山と交差。ここまで上がるとしっかり雪がある。上部はメリハリが効いている感じ。
1400 南竜に到着。小屋前の沢は雪で埋まっておりとても掘り返せません。南竜時間では14時が午後4時を意味するので、いそいそ食事、飲酒の準備をはじめる。と、一転にわかに空が暗くなり雨。テントに避難すると、雷鳴とともに霰が降ってきた。上空に寒気が入り込み、天候は不安定との気象通報はあたっていました。新氏は自身の差入れである「すき焼」を食べる暇も無く、雷鳴の下をピッケルを気にしなが、下山して行きました。どうぞご無事で。(現時点ではその後の氏の消息を確認していません。)
 大テントは幸運にも程よい礫地があったので、楽に設営できました。公序良俗に反するかもしれないので写真をお見せできないのが残念です。深夜になると天候も回復し、きれいな星空となりました。
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645 テントを撤収、メインザックを小屋前にデポして出発。小屋背後の雪渓を直登する。雪面はわりと柔らかくて、キックだけで登高が可能と思われたが一応アイゼンは着装。室堂はヘリによる荷揚げの真最中で、ワーカーがいつになく多く、夏山開店準備に怠り無い。
 ここで出会ったのが当会の北川女史で、別当から
2時間そこそこで来たとの事。われわれの登山スタイルをあたかも否定するがごとき行動ではあるが、まずは感心せざるを得ない。(ヘリの荷にまぎれて・・・なんて事は無いか、ナイヨナ〜)

8日早朝 南竜、油坂と別山 室堂にて 南竜への下り、ルンルン


 昨夜の新雪のおかげで残雪が白いのだ。霰の粒が大きくて透きとおっている、気持ちいい。頂上の参拝、六地蔵でのお参りをすませて下山は同コースで南竜へ。
 ここでもヘリによる荷揚げが始まっており、昨夜とはうって変わって人の気配。テントを撤収しておいて良かったです(湿ったテントは重かったけれど)。
 ここで出会ったのが当会の薮野君で、一人山頂を巡り終えて当然のようにわれわれを待っていてくれたのでした。なんていい人、感謝します。
1630 会館着。


▲千振尾根▲ 2003年6月15日  記録 中村久子

 半分雨マークの朝、曇日の中を千振尾根避難小屋を目指して、720分市ノ瀬登山口に入る。深い森の精気が一気に押寄せて山道へと吸い込まれ歩を速める。
 風車が一面に葉を広げる道筋には稚児百合、雪笹、緑雪笹、奥車葎、舞鶴草、山荷葉が咲き始めの清らかさを漂わせている。
 2時間くらいで覗に。キツツキが虫を啄む音を背に別当谷の流れや山峰の稜線を景色に一休み。エメラルドの輝きを見事に湛えたブナの原生林、表わす言葉も無くただただ息を呑むばかり。千振尾根の森の深さに身を浸す。やっぱり来て良かった。
 先週(7,8日)白山からの眺めに誘われての山行。別山山頂まではチョット無理だったが巨大なブナ、ブナ、ブナ漬の一日、言う事なし!
 渇水期には涸れると云われる小さな沢の水場を抜けて右手の別山谷が開けて千鳥笹の尾根歩き、白山千鳥、御前橘、端取草、小岩鏡、三葉黄蓮、大葉黄蓮が咲き、日光黄菅、車百合、子梅恵草がつぼみを身一杯膨らませている。
 上り3時間40分、下り2時間30分。
 嬉しいことに、天気予報が外れて覚悟していた雨にも遭わず、同行4人、福井からの8人、ブナの原生林で薄い木漏れ日を捕らえてブナの精と対峙している青年カメラマン2人、上り1時間半で折返しの散歩をしているという方1人。415人の濃密な時空でした。


▲会館補修 会計報告▲  会計 土本

支出内訳--板金工事費 1000000
--足場仮設費 136500
--他材料費 36419
--飲食費.雑費 42367
合計 1215286



▲武尊山と奥白根山▲ 2003年8月14〜16日  記録 平

 14日 のんびり朝食を取り、自宅を出発。昨年、一昨年はお盆休暇がそれらしくなくて、遠出が出来なかった、今年は休める。されど地図の用意も出来ない有様で、ロードマップで登れる山を目指す。夕方、武尊牧場の上部に到着。雨でした、当然誰もいません。ハイカー用の吾妻屋で雨を凌いで眠る。
 15日 やっぱり雨。6時出発。案内板に記載されているコースをメモ用紙に映す。武尊山山頂まで、尾根通しで7キロである事を知る。登山道は広く広葉樹の樹林帯も美しい。だけど落葉土の汚泥を避けて歩くのでけっこう疲れる。9時頃に武尊山頂着。清々しい山でした。
 雨だというのに、下山途中に何組かのハイカーとすれ違う。私が写真を撮っていると
樹木の名を聞かれた。「ナラでしょうか」と答えると、「いいえ、あれはナラではありません。」と断言されて、あげくの果てに「この方、ナラとブナしか知らないなんて、オホホホ。」ときたもんだ。まったく無礼な中高年婦人だった。だいたい植生に詳しい人は、歩きながらでもよく喋る。これは何の花だの、あれは何とかの変種だの、私にはどうでもよい事。趣味が違うのですから、ほっといて下さい。(ちなみに私が知っている花は、クロユリとトリカブトだけです。)12時頃に牧場に帰る。
 16日 雨ではない。7時30分始発の丸沼高原ゴンドラに搭乗。日光白根山を目指す。ゴンドラ終点が標高2000mだそうで、白根山が2578mだから行動は推して知るべし。
 間が悪くて、カラン・カランとでかいカウベルを鳴らしながら歩くオオバカ者と登山口で一緒になってしまった。このオオバカ者は足が速くて、鐘の音が後ろから離れない。やむなく、「ガレ場危険迂回せよ」の案内掲示を無視してガレ場コースを選択、カラン・カランから解放された。なんで鈴を鳴らしながら歩くの、あなたは牛か猫か?ここで熊に遭えるくらいなら琵琶湖で鮫に遭えると思うよ。
 頂上には無論誰もいない。雲が厚く眼下を取り巻いていて、一時の晴天だったようだ。下山するとまた雨となる。
 夕方6時、金沢の自宅にて夕食。


▲白山 お花松原 クロユリ▲ 2003年8月  記録 中村久子

81213日 晴
 いろいろな方々のお話を聞いて“いつかは”と思っていた山行。計画予定の時からワクワクで、大きな期待を抱いて出発。
 厚い雪に覆われた千蛇ケ池の上を歩いて大汝峰の麓へ。そこは白山の奥の院の様。緑深き平原に“ようこそ”と微笑んで招かれ、暖かく優しく包み込まれたような気分になり、立ち去り難いものがありました。ああ、いいな。また来たいな、きっと来よう。それにしても御前峰、剣ケ峰の後ろ姿のなんと雰囲気の違う事か・・・。
 ヒルバオ雪渓を渡って、お花松原と呼ばれている所に立つ。クロユリの大群生は半端じゃない。斜面の少しの角度の違いで満開の面、つぼみの面と顔を揃えて斜面を埋め尽くしている。なんときれいな。すばらしい。圧倒された。

 そして突然変異によるものでしょうか、クロユリの黄花を発見
!! 78株が一群となってひっそりと咲いている。なんと幸運なことか。
 お天気に恵まれた事、時間のゆとりがあった事、仲間とゆったりとした気分を分かち合えた事どもが相俟って値千金の山行でした。

82021
 先週の余韻が覚め遣らぬ間にと天気予報を見て慌しく白山へ。今度は一人でエコーラインから室堂へ。ニッコウキスゲの花盛り。こんなに沢山一面のニッコウキスゲを見たのは初めて、嬉しかったあ。
 夏休みとあって、小学生と一緒の若い家族連れが多くほほえましい光景があちこちに。登山道整備の工事も次々施工されていて、一人でも子供連れでも安心して登れるそんな白山になるんでしょうね。それも天候次第、そして油断大敵。
 一人山行もいいものだ。白山だから可能だったのかも?その通り・・・。

▲医王山 沢▲ 2003年9月7日  記録 平

静寂なる大池 西尾平に駐車して先行する仲間を追う。昨夜は深酒をして集合時間に遅れてしまった。程なく追いついたものの、やっぱ辛いわ。
 930 大池着。三蛇の滝を巻き川床へ。金沢は晴天だったがこちらは薄くガスがかかり、陽射しは強くない。女性3名が沢は未経験との事。
 前日の豪雨でわずかに水量は多め、しかし水は澄んでおり期待が持てる。岩はしっかりしており、ヌメリもない。役員会では「あんなの沢登りと言いえるのか?」との意見も聞かれたが、グレードだけが沢の楽しみではない。みんなが行けておのおのが自分流に楽しめる、そんな沢があっても良い。左岸を行けばなんでもない処でも、がんばって右岸をヘツルなんてのもいい。それでドボンしたらなお楽しい。

岩床を進む 数秒後に瀞が深い事が証明された 癒しの沢だな 高さ1.5M


 ルートも決めていなかったので、分岐で合議しては遡行をつづけた。岩床、小滝の連続である。高さのあるスラブでは、本田氏がザイルを引きながら直登。そんなリードを要するスラブ、連瀑が上部で
3つ。巻くことなく十分楽しみました。

イケイケです だいじょうぶ、です 勇士の面々 やっぱ頼れる本田氏


 水量も僅かになりかけた所でソーメンを食す。ザルがなかったのでメッシュの帽子を代用、これも山の知恵です。水が切れてから
10分程度で白禿山東の登山道に出た−1230
 西尾平で縦走組の
2名と合流、帰路につく。

ゴボウです 終了点間近
ザルも帽子もメッシュに変わりなし 終了点